泳ぐ速さを決める3要素:No.2『抗力』圧力抵抗

こんにちは、koheyです。

 

 

今回は“抗力”の「圧力抵抗」について
お話します。

 

f:id:koochaman:20210912211328p:plain

 

圧力抵抗は、身体の前端と後端の
圧力差によって生じます。

 

身体の前端は流水抵抗を直に受けると共に
体の側面で摩擦抵抗を受けているため、
高圧になります。

 

身体の後端は水が体の側面を通っている
ため流水抵抗を直に受けません。

 

したがって身体の後端は、前端よりも
低圧になります。

 

前端が高圧、後端が低圧


この状態だと、体は前からの圧力に
耐えられず後ろへ流されてしまいます。

 

これが圧力抵抗となります。

 

圧力抵抗に限らず、抗力を完全に
ゼロにすることはできませんが、

 

圧力抵抗は泳ぎ方によって減らす
ことができます。

 

身体の前端と後端の圧力差を可能な
限りなくすことです。

 

基本的に身体の後端は圧力の変動が
少ないので、前端の圧力を減らすよう
工夫する必要があります。

 

身体の前端ですので、上半身の動きや
姿勢を改善します。

 

圧力を減らすには、
正面から見た場合の面積を小さくする
ことで対応できます。

 

(※下線部、以降は「前面投影面積」と表記します)

 

気づいた方がいるかもしれないので、
ここで釈明しておきます。


私が云う“流水抵抗”、厳密には
「圧力抵抗」の一部なのです。

 

本来、泳ぐ速さを決める要素である抗力
を考えるうえで「流水抵抗」という概念は
存在しません。

 

なぜなら私の造語だからです。

 

(※流水抵抗という言葉は元からあります。
  本来はタイヤなどでよく使われる用語です。
  水泳ツールのパッケージなどで使われること
  はありますが、私の使い方が本来の意味と
  違うということです。)

 

どういうことかと言いますと、

 

「流水抵抗」は、面積が大きいと
水に押される

 

「圧力抵抗」は、前端が高圧で後端が低圧
だと水に押される。

 

 

「流水抵抗」の前面投影面積が大きい状態
というのは、「圧力抵抗」の前端が高圧
状態
と同じなのです。

 

少しややこしいですね、

 

頑張って手短に終わらせるので、
もう少し我慢してください。

 

先ほどの説明、圧力抵抗の性質を考えると
矛盾している部分があるのです。

 

「圧力抵抗」は前端が高圧、後端が低圧
生じますが、

 

前端が高圧で、後端も高圧だったら
どうでしょう?

 

前後の圧力は釣り合っているため、
圧力抵抗はゼロになります。

 

実際にはありえませんが理論上
では成り立ちます。

 

さらに言うと、
どれだけ前端の抵抗が大きくても
前端の方が低圧で、後端が高圧だったら

後端からの圧力で、何もしなくても
推進力が得られることになります。

 

これもまずありえませんが、理論上
成立します。

 

 

そのため、「流水抵抗」の
前面投影面積が大きいほど抵抗が増える

というのは、

 

間違ってはいないが不完全である
と言えるのです。

 

 

なぜ私が「圧力抵抗」を
「流水抵抗」と「圧力抵抗」というふうに
分けたのか、

 

それは、「抵抗」の
“前から押される”、“進路の妨げになる”
という「抵抗らしさ」のある概念を生み
出したかったからです。

 

圧力抵抗の本質を理解するのに私自身
苦労しました。

 

難しい用語も多く、「抗力」というもの
自体に様々な形があり、分かりにくいと
感じました。

 

そこで、「抵抗」という言葉の
言葉らしさを分かりやすく表現する
方法を考え「流水抵抗」と説明する
ことにしました。

 

ここまでの説明の長さで、もう十分
分かりにくくなった方も多いと思います。

 

大変失礼しました。

 

圧力抵抗に関しては、今後の記事でも
適宜説明を加えていくので、難しいから
と投げ出さずに向き合っていってくれると
嬉しいです。

 

きっと、自身の泳力向上につながります。

 

 

次回は「造波抵抗」について
お話します。

 

次はもっと短いものを考えているので
安心してくださいね。

 

 

ではまた!